世界初、前座の漫画「風とマンダラ」、堂々発売!!
  でかした、やった、立川志加吾、4コマ漫画の単行本「風とマンダラ」(講談社 533円)第一巻、4月21日堂々の発売だ!!
 過去、異業種から漫画界への参入は何人もあった。しかしそれは単発、読み切り、短期連載であって、志加吾のようにメジャー誌の長期連載を勝ち取り、単行本化へこぎつけた例はなく、これは実に快挙なのである。しかも志加吾は前座という身分、これは本邦初、いや世界初の偉業なのである。
 才能プラス時代、ということである。志加吾は談志の変化に感謝しなければならない。かつて談志は弟子を強く制約した。前座時代の私が歌手を目指ざして活動した時、談志は私に「落語と歌とどっちが大事だ!?」と迫り、私は一発で降参したものだ。それがどうだろう。今は「まず売れろ」が口癖である。で売れて量を獲得した者の質をジックリ確かめるのだ(この方が怖かったりして)。
 ケータイにカネがかかるのか、漫画全体の売り上げは落ちているという。ましてや志加吾が連載を持つ「モーニング」誌は大激戦区だ。ベテランでさえ人気に火がつかなければ切られるという現状があり、おまけにモーニングには化け物がいるのだ。
 井上雅彦氏の「バガボンド」(5巻が出た時点で800万部を売り上げる)がそれで、ほかにも弘兼憲史氏の「部長島耕作」、尾瀬あきら氏の「奈津の蔵」……と人気連載がめじろ押し、何とそこへ水島新司氏が「野球狂の詩2000」を引っ提げ、参入してきたのだ。
 どうする志加吾、大丈夫か?絵もアイデアもグングンうまくなっているから安心はしているのだが、「落語は老後の楽しみに取っておく」ぐらいの覚悟は必要であろう。タブーはない、落語家の恥部をどんどんネタにすればいい。怒るヤツがいたら「シャレのわからないヤツ」と笑えばいいのだ。まずは発刊おめでとう。で、印税が入ったら一杯おごれよな。

   立川談四楼
日刊ゲンダイ4月19日号より全文掲載