漫画家・立川志加吾、ついにメジャーデビュー
  立川志加吾(しかご=20)が漫画家としてデビューした。週刊「モーニング」(講談社)連載というメジャーデビュー、しかも前座という身の上なのだから、これは快挙だ。
 去年の夏までの1年間、私は同誌に「山藤亭海彦」を連載した。私は原作者という立場であった。折よく同誌がホームページを開設したので、私は「談四楼亭日乗」というエッセーを書いた。そこへ志加吾の4コマ漫画をくっつけた。と、この漫画がエッセーより面白いのである。前座の悲哀とともに談志がよく描けてること比類なし、私は担当編集氏に、この面白さは本誌でもイケるのではないかと打診した。担当氏も同意見であったのは幸いで、イレギュラーという形ではあるが、モーニング誌にポツポツと載るようになった。
 あれよアレヨという間であった。志加吾は今夏、ついにレギュラーの地位を獲得してしまったのだ。私の仕事は終了したが、こうして一門に引き継がれたのが素直にうれしい。同時に思うことは、才能はどこに隠れているかわからない、ということである。
 1つだけ懸念があった。談志である。とにかく志加吾は修業の端緒についたばかりの前座という身分なのだ。私がかつて前座であったころ、歌手デビューを画策した。レコーディングを済ませ、いよいよこれから活動という時、談志から待ったがかかった。で結果は「落語と歌とどっちが大事なンだ?」のひと言でケリとなったのである。
 そういう経緯から大いに心配したのだが、何と談志は題字(タイトル)を喜々として書き、志加吾を応援しているのである。一体志加吾のヤツ、談志のところへ何を持ってったのだろう。カネか、ブツか?
 志加吾の描く漫画のタイトルは「風とマンダラ」という。落語家の小道具である扇子と手ぬぐいのことである。ぜひご一読あれ。

   立川談四楼
日刊ゲンダイ9月9日号より全文掲載