立川流15周年記念参拝 |
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立川流発足15周年である。まだ15年、もう15年と一門の中でも感慨はさまざまだが、立川流第1期真打ちの私からすれば無我夢中、アッと言う間の15年であった。 節目を記念し、紋付き袴の正装で根津神社に詣でた。正月以来の一門勢ぞろいである。弟子の数も当初十数人であったものが30人を超え、B、Cコースを入れれば120人という大所帯にふくれあがっている。 神主からおはらいを受け、神前に榊を奉じ、清めの御神酒をいただいたわけだが、形式ばったことを嫌い、ちゃかしたりする一門が、珍しく神妙であった。 表へ出るとカメラの放列と芸能リポーターが待ち構えていて、家元の談志を取り囲んだ。マスコミの動員は竹書房の仕掛けで、今回の参拝の目的は立川流15周年と竹書房から出した「立川談志ひとり会落語CD全集第三期」のヒット祈願でもあったのだ。 ところが芸能リポーター、自ら宣伝しない談志の性格をいいことにロクな質問をしない。いわく「がんはその後どうですか?」「阪神の野村新監督についてひと言」ときたもんだ。一体芸能リポーターの芸能の部分はどうなっているのか。そこで思い当たった。芸能リポーターとは芸能を取材するするリポーターではなく、芸能人をリポーターであったのだ。 場所を上野の老舗「伊豆栄」に移し、食事会ということになった。そしてそこにもスポーツ紙の記者を大勢招いたのだが、翌朝の各紙を見て驚いた。一門集合写真が大きく出ていたのは喜ぶべきことだが、記事は15周年、がん、野村監督に関するものがほとんどで、やはりCD全集に触れる記事は少なかったのである。 談志が弟子に言った。「売れたいヤツは売れろ。売れたくないヤツは落語をきちんとやれ。いずれにしても、つつがなく暮らせ」と。15周年、また立川流の新たな始まりである。 立川談四楼 |
日刊ゲンダイ11月12日号より全文掲載 |