「ファイティング寿限無」の発刊迫る
 サッカーファンにあらずんば日本人にあらず、といったマスコミの論調だが、どっこいボクシングを忘れてもらっちゃ困りますぜ。現役の落語家にしてボクサーでもある橘家小龍の物語「ファイティング寿限無」の発売が、いよいよ6月30日迫っているのだから。いやァ、自著の宣伝でありますよ。初の長編書き下ろし小説というやつであります。新潮社刊、1575円(税込み)ですので、ぜひお求めのほどを!
 20日の対クロアチア戦で、もし日本がこれを撃破、あるいは引き分けていればサッカー熱はますます高まり、ボクシングどころではなかっただろう。とにかく不景気や7月の衆院選すら忘れているとしか思えない狂乱ぶりで、インドやパキスタンは言うに及ばず、核実験を続けたフランスに喜々として乗り込む国民性なのだ。
 私の願いはただひとつ、クロアチア戦に負けて騒動が沈静化することだった。これで目がボクシングに向くだろうって、私だって自分のことしか考えていないのだ。
 「ファイティング寿限無」は構想5年、執筆に丸々2年という小説である。400字詰め原稿用紙で800枚ほど書き、バッサリ削り、また書き加えで500ページ強、大変面白く仕上がった。保証できるのは一気読みで、その一点、読みやすさには心をくだいた。しかも熱い小説となったのである。
 発売前であるが、村松友視先生が褒めてくだすった。そして7月5日オンエアのBS2「週刊ブックレビュー」では出久根達郎先生が取り上げてくださるそうな。私だって黙っちゃいない。新潮社のテレフォンサービス(03-3269-4700)では、6月29日〜7月5日(24時間)までの一週間、私自身が自著の解説をするのだ。
 やっとサッカーが一段落ついた。皆さん、これからはボクシングですよ。

   立川談四楼
日刊ゲンダイ6月25日号より全文掲載