「立川談志の独断場・第三弾〜ワン&オンリー」
談志ひとり会
1月25日 立川談志
東京厚生年金会館




厚生年金大ホール一杯のお客、それもたいした宣伝もせず、売り出しと同時に完売。“芸人冥利につきる”
ましてこちとら一人(ピン)芸である。他に誰ぁれもいない。
いえ、必要としない。在(い)れば邪魔ンなる。
家元のお客は嫌がる。“どうでえ”である。


若き売り出しの頃も、この会場を満員にした記憶もある。
スタンダップ・ジョーク、マムシの奴を使って
漫才、落語が二席、若かったのだ。
その漫談には場内が揺れた。
私の身体にまつわりつくように
観客の眼と熱気が取り捲き、舞台を風の如く動く度に、
そこに笑いが爆発したっけ。


現在(いま)や、その体力が無い。それは仕方ない
けどこの会場の広さ、これも承知なのに…
毎度いう如く、落語の高座に似合う客の数は
百人がいいところであろう。けど、この現代、
マスを相手に演らねばならぬ事の多い時代であり、
毎度いう「現実は事実」である。
どうすべえ、流れにまかせるか、いっそ止(や)めるか。
百人のお客の芸をもう一度創り楽しむか。
毎度の如く、これらの繰り返しの人生、
落語家暮らしの五十年、
それも過ぎた去年のことでありました。


家元予定では今年が死ぬ年であります。
そんな気配は充分あります。曰ク、肝硬変の糖尿の
加えて叉ぞろ食道ガンの復活で六月に手術ときたもンだ。
肩ぁ痛ぇし、淋病は治らねぇし、チン○○は…と
半分ネタだが、前の三つは本当のことだ。
人生成り生き、勝手にしやがれ。
もし今年生きてたら、後二年生きてみる。
家元人生二年計画で生きているのであります。


   家元、ガンバレー。

      俺がついてらぁ…

立川流落語会
家元 立川談志






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