特選立川流落語会 立川談春真打昇進披露公演 |
| 9月27日 | 有楽町マリオン朝日ホール | 立川談春、談志、上岡龍太郎、志の輔、國志館 |
談春と初めて会ったのは、江古田の小汚い銭湯の二階。入門したての志らくが年下だけど兄弟子の談春と前座の勉強会を始めたのだ。そこにこまっしゃくれた17才の小僧‥いや少年は居た。チャイルドのくせに五十代のような噺をした。ひょっとしたら孫でも居るんじゃないかと思える語り口であった。この妙な落ち着きはなんだ?会が終わってカラオケに連れて行くと17才は初対面の私に向かって、「それでは聞いて頂きます。おゆきです。~もって生まれたァ〜ッ」と、流し込んで来やがった。17才がおゆきを歌うか普通?こいつは"大人こども"なのだ。
おゆきから十数年という歳月がたち私も談春もちゃんとした大人になった。ある日ふたりを呼んで私はこう言った。
「談志の頭脳部分は志らく担当、そして談志の技芸部分は談春が受け継げ。オレは談志の愛喬部分を担当する」と。
総合体ロボ談志二号はこうして完成を待っている。
みごとまでに古典落語にいまをとり入れ、真打ちという幕内に入った談春。あの立川流家元であらせられる談志が認めた真打ちになったのだから、もういつガンになっても恐れることはない。
山藤章二画伯曰く「談春は今どき珍しく、スッとした落語家だ」
その通り。まさに本寸法。古典落語の王道を行くその語り口で同世代を生きるバカな昇太・たい平・新潟らをリードして行ってくれ。鉄火で勇み肌な談春なら次の世代の芸界をひっぱって行ってくれるものと信じている。
(志らくはクリエート馬鹿だから親分肌にはなれない)
談春の技術をもってすればこのマリオンだって江古田の銭湯だってすぐにそこはもう江戸の世界。21世紀の名人誕生の日は近いかもしれない。
この秋に真打ちとなり、人一倍暖かい冬を超えたらまさに談志の春、本当の意味での談春時代の到来である。
高田文夫
立川藤志楼

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