浅草談志の会

5月31日雷5656会館立川談志・志らく・談春・志加吾




 今月25日の夜半、正確には26日の早朝。眠れぬままに枕元のラジオのスイッチを入れると。なんと、流れてきたのは聴き馴れた家元の声。
 こんな夜中に何だ‥。
 よく聴けば、これは5日の子供の日に放送された「話の泉」の再放送。
 NHKでは、好評だった番組を、その月の最終週に再び流すのだと。
 若いひとはご存じないが、その昔、NHKに「話の泉」という名物番組があった。
 今年のゴールデンウィーク最後の日曜日の夜、懐かしいテーマメロディーに乗ってこれが復活。
 冒頭で名アナウンサーいわれたと和田信賢や徳川夢声、渡辺紳一郎さんの声など流れて、私としたことが、思わず涙ぐむといった一幕。
 今回は司会が立川談志。回答者には山藤章二、Dスペクター、西丸震哉、毒蝮三太夫、近藤唯之といった異色メンバー。
 中でも西丸さんは知的な野人。バカが多い山男の中では希有な存在。「湖と沼との違いは」という問いに、「湖は気持ちいいが、沼は気持ち悪い」と。いいですねぇ‥。
 軽薄な番組に独占されてしまった昨今のテレビやラジオ番組の中で、少しでも大脳に刺激を与えてくれた、この番組の復活に拍手をおくりたい。この深夜放送の最後に、明日は昔の海軍記念日だとか。
 いかにもNHKらしいが、海軍記念日というのは、戦時中、ある偉いお方が葉山の沖でクラゲに刺されて溺れた日。
 これまた余談だが、つい先日ファンに請われて色紙にサラサラと筆を走らせる家元。その紙面に「莫迦‥」と。私、これを見て思わず脱帽。
 というのも、ふと渡辺紳一郎さんの言葉が頭に浮かびましたからね。「馬鹿というのはバロクと読む。バカは莫迦と書くのが正しい」と。
 憎いほどシャレた人でした。
 さて、今夜はお富士様の縁日。明日はダービー。
 昔のお富士様は、子供にとっては三社祭より、はるかに魅力的でした。
 富士神社のすぐ下には、のぞきからくりの屋台。そのメガネの向こうには見事な「総天然色」の地獄極楽絵図。
 象潟警察裏の公園には「ろくろっ首」や「へビ娘」といった見世物小屋が軒を連ね、子供心にもその怪しい世界に魅かれたものです。
 いまさら昔の事をなど‥、百も承知。でも「幸せなんてのは追憶のなかにだけある」なんて言いますからね。
 せめて後世に伝えて下さいよ、立川談志の至芸。なにしろ今夜のチケットは二カ月前、発売と同時に売り切れなんですから‥。

  浅草談志の会
   松浦謙助






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