立川談四楼の北沢八幡落語会 |
| 2月15日 | 北沢八幡神社参集殿 | 立川談四楼・ゲスト/丸山おさむ 志加吾、談々 |
丸山おさむは不思議な芸人である。売れそうで売れないところが面白く、売れかかると自ら身を引くようにも見え、芸はまったく私好みなのだが、一体どういう環境と心理でこういう存在になるのであろうか。
普段の氏はジェントルマン、礼儀やマナーを重んじ、笑顔を絶やさないのだが、舞台に上がった途端、ラジカルになる。適当に合わせ、流すとうことができない。ああやれこうやれという押しつけが嫌いだ。だからテレビ局とは衝突する。どっちが強いかと言えばテレビ局だから、当然干される。テレビに出ない芸人即売れない芸人が世間の認識だから、マイナー芸人のレッテルを貼られ…。
舞台、それも営業の場では『全身芸人』と化し、数々の逸話を残す。一つだけ紹介すると、カレー事件というのがある。例の和歌山の事件直後、行ってみると、そこが同じシチュエーションであるとわかる。広場にテントがあり、町内の老若男女が集い、カラオケ大会のセットがしてあって、カレー鍋が湯気を立てているのだ。ここで丸山氏は手作りのステージに紹介されたわけだが、私だったらカレーのカの字も言わない。ギャラが欲しいからだ。ところが丸山氏は言ちまうんだなァ、「皆さん、カレーはもう食べましたかァ」と。
凍りつく場内を想うだけで怖々しいが、芸人仲間の支持が高いのはひとえにこの辺の狂気(侠気)にあるのだ。
三月二十一日から船旅に出る。アラブのドバイから世界一周豪華客船『飛鳥』に乗り込み、退屈しているのであろう金持ちに、落語という日本情緒を語り込むのだ。スエズ運河から地中海を経てイスタンブールまでの二十日間、次回はその帰朝報告の独演会ということになるわけで、乞御期待!
おっと忘れていた。四月十三日には専修大学における最初の講義が始まるのだ。私は四月から『専修大学文学部国文学科特別講師』(長いね)という肩書きの名刺を持つのであって、一年間、九十分授業を二十七回持つことになったのだ。パチパチパチ。
講義の内容、現代学生気質といったものもこの会で報告するつもりですから、それもお楽しみに。
更にもう一つ、次回のゲストは役者の矢崎滋氏であります。もちろん落語をやってもらうのですが、うまいですよこの人の落語は。どうぞ役者のキャリアと底力を確かめにきて下さい。
ではごゆるりと。あ、居眠りはしないように。
立川談四楼

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