立川談四楼の北沢八幡落語会 |
| 4月15日 | 北沢八幡神社参集殿 | 立川談四楼・ゲスト/矢崎滋 小談林、キウイ、談号 |
九十六日間世界一周の客船「飛鳥」から下りて一週間、まだ身体が揺れているような気がします。船で過ごしたのは、アラブのデュバイからトルコのイスタンブールまでの正味二週間で、成田からアラブまでとトルコから成田までの移動に六日間、しめて二十日間の旅でありました。その道中の様子は本席の前半で喋るつもりですが、ところでお客様、中東の地図が頭に浮かびますかね。ペルシャ湾、オマーン湾、アラビア海。アラブ、イエメン、サウジアラビア、ヨルダン、イスラエルときて、紅海、スエズ運河、地中海、エーゲ海なんです。見当がつきますかね。ひとつ、想像をたくましくして聞いて下さい。
帰ったら都知事選が待ってました。船内新聞「アスカデイリー」の途中経過には「石原有利」と出てましたが、その通りの結果になりましたな。この件につきましては別に意見はございません。
上船してすぐ届いた同新聞の「枝雀自殺 重体」の報は、いささかショックでした。まさかとやっぱりという思いが交錯したからで、そこへ乗客の「なんで落語家が自殺を……」などという感想がかぶせられると、つい「落語家だからなンです」と語気が強くなってしまい、ちょいと複雑でありました。水島道太郎、沖田浩之、そうそう、協栄ジム金平会長の訃報も船上で聞きましたっけ。合掌。
帰国後はバタバタ、身辺騒然、船旅を思い返す暇もなく、大学の講義が始まっちまいました。名刺も出来上がっていて「専修大学文学部特別講師 立川談四楼」、妙な気分のままそれを持って大学へ出かけましたよ。あとで考えたら名刺持って大学へ行ったってしょうがないン、それは大学以外のところで出すものなんですよね。
十三日、まずはオリエンテーション。一年間の講義内容や単位取得の説明で、それを三十分ずつ二回やったのであります。我が972教室はギチ満員、キャパ百五十のところへ立ち見も三十人出るという盛況で、こりゃ大変だ、本番では教室を変えなきゃと思ったら二回目はわずか三十人、初めて尽くしで何がどうなっているのかその辺りはわけがわからないが、とにかく二十日からの講義には通路に座ってもらう学生が沢山出るわけで、まそれも最初のうちだけ、おいおい減っていくものだという。ホントかね。
単位取得には、まず出席することと説いたが、就職を控えた四年生やバイトに忙しい学生もいて、彼らには我が独演会に来れば出席扱いにしてやると言ってある。のみならず、そのレポートを書いて優秀であればそれだけで単位の対象となるとも言ってあって、これからは本会場に学生の姿が増えるかもしれません。どうか慣れない会場に戸惑う学生を見たら、優しくしてやって下さい。私の講義を選んだ可愛い学生たちなのですから。
さて、前回お知らせした通り、矢崎滋さんの登場です。落語に正面からぶつかっている数少ない人です。その情熱と役者として培ったテクニックをじっくりと味わってください。どうぞごゆるりとお過ごしのほどを。
立川談四楼

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